ソフトバンクにおける5Gエリア拡大の取り組みについて

Posted By on 2021年10月14日

“4Gから5Gへの移行にともない、大手キャリア3社はそれぞれ5G展開計画を立てて、取り組みや今後の展開を明確にしています。今回はソフトバンクにおける5Gエリア拡大についての取り組みについてまとめてみましょう。
5Gは2021年から全国的に利用地域が拡大され、本格的な運用が始まりました。ソフトバンクに割り当てられた5Gの周波数帯は、3.7GHzと28GHzという高い周波数帯になります。高周波数帯は電波が遠くまで飛びにくいという性質があるため、カバー範囲が狭いです。また建物などの遮蔽物による影響を強く受けてしまうため、電波の伝わり方が弱くなる…というデメリットがあります。
これらの高周波数帯は、広い範囲をカバーするのに向いていないため、特に28GHzに関してはかなりの数の基地局を展開しなければなりません。しかしゼロから基地局を整備するというのは現実的ではないため、現在LTEで使用している周波数を5Gに用いることで、5Gの連続的なカバーエリアを作っています。このLTEで使用している周波数帯域を5Gに用いることで、面展開による5Gエリアの広域カバーを実現することができ、エリア拡大を早期に実現する施策として非常に有益です。
またソフトバンクでは、複数の周波数帯を所有しており、それぞれの電波特性に合わせて、ネットワークの構築・運用を行っています。例えば、都会ではスマホユーザーが密集しており、データの使用量が非常に多いです。そのため周波数が大量に必要となりますが、帯域幅が狭く低い周波数帯では、データ容量を多くは扱うことができません。そこで帯域幅が広い、周波数帯を使うようにするなど状況に応じて周波数帯を組み合わせたネットワーク構築を行っていきます。
広い5Gエリアを作っていく基本的戦略でも同じように、需要が多いところは広いエリアをカバーできる低い周波数と、帯域幅が広い高い周波数帯を組み合わせてニーズに対応していきます。つまり用途によって4Gを組み合わせること(既存周波数帯の転用)で、5Gネットワークを早期に提供していく体制を整えているのです。
また、ソフトバンクでは5G時代を見据えた準備として、様々な取り組みを行っています。最新技術をいち早く取り入れており、4G時代から「Massive-MIMO」という技術を導入し、運用ノウハウを蓄積してきました。Massive-MIMOは、複数のアンテナを同時に使って、データの送受信を行う技術であり、必要な場所に必要なだけの電波を発射することができるので、電波が届きにくいところでも十分な速度で通信が可能となり、人が多く混雑しているエリアにおいても通信速度が起こりにくくなっています。このMassive-MIMOは、5Gにおいて最も重要視される技術と言われています。
さらにソフトバンクではネットワークの設計のために、インフラシェアリングによる5G地方展開を推進しています。4G時代はスマホ利用者に向けた快適なネットワーク環境構築に重点が置かれていましたが、5Gに関してはそれに加えて産業と地方活性という観点でのネットワーク設計が必要となります。
そこで迅速にサービスエリアを拡大するための手法としてインフラシェアリングが用いられています。ソフトバンクでは、KDDI社と株式会社5GJAPAN設立して、ソフトバンクとKDDIが保有する基地局資産を効率的に相互利用するインフラシェアリングによって、5Gの地方展開を進めているのです。
2021年度末までには5万局のエリア展開を行い、人口カバー率90%超を達成する予定となっています。”

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